今年から雅楽(ががく)の管楽器である「笙(しょう)」の稽古に通っています。どんな様子かは「群馬天台青年会」のこちらの記事をご覧ください。
日本における雅楽の発展は仏教と浅からぬ関わりがあります。飛鳥時代には聖徳太子の仏教興隆政策に伴い「三宝(仏・法・僧)を供養するには諸蕃楽を用いよ」という方針から大陸から渡来した楽舞が発展し、奈良時代には渡来僧により大陸の楽舞が伝えられました。中世には武士層が台頭するとともに皇室系の楽人は困窮し技術の伝承が困難になる中、経済的に安定していた大寺社では法会・神事に際して雅楽曲を奏することが行われ、なかにはそのために専属の楽人を擁するものもあって伝承を保つのに大きな役割を果たしました。仏教音楽である「聲明(しょうみょう)」の楽理は、音階をあらわす十二律など共通するものが少なくありません。如来にしたがう菩薩や天人が如来を讃えるために周囲で雅楽に使用される楽器を手に取り楽を奏する様が経典に書かれ仏画に見られるのも、楽と仏教との深い繋がりを示しています。
雅楽を習うことによって聲明の楽理を学び直し現代の布教への可能性を見いだそうと、従来から東京在住の天台宗僧侶が活動していた雅楽の会に関東一円の若手有志が合流し、今年「天台雅楽会」が発足しました。笙・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の三管の稽古が行われており、群馬からも十名余の青年僧が参加しています。